僕自身がコーチングをする時に、とても気をつけていることを書きたいと思います。
答えを用意しない
成長の真っ只中にいる子供達は、何をするにも初めてのことばかりです。
僕は選手に質問する時に、答えを用意しないように気をつけています。
僕たち大人は、それなりに色んな経験を積んで生きてきました。
経験してきたことに対して、ある程度の答えを持っています。
ただ、答えを持っていると、選手の答えを誘導してしまうことがあります。
例えばドリブルをしている選手がいて、DFを抜く場面。
DFの右側には、さらに別のDFがいますが、左側には誰もいません。
でも、右側を抜いてボールを奪われたとします。
そんなとき、こんなやり取りをしてしまうことがあります。
僕:『左側は見えた?』
選手:『見えた』
僕:『左側には誰もいなくて、右側には別のDFがいるけど、どっちを抜いたらいい?』
これで『右側!』と答えられる選手がいるでしょうか?
誘導型の質問になっていますよね。
選手が見えたのであれば、あえて右側を抜いたことになります。
きっと何か考えがあるのです。
情報の収集(左側を見た)と、判断(右側を抜いた)が出来ています。
左側が見えたかどうかを確認して、見えたならそれでOK。
何か別のことをイメージして右側を選択したのかもしれません。
見ていなかったのであれば、
『左側にはDFがいなかったよ』
と、情報を収集しなければならないことだけ伝えて、あとは選手に任せればよいと思います。
誘導しない理由
ある講師の方が教えていただいた話です。
宇宙旅行に行く時に、食料や酸素など、優先度の高いものを7つ選択するために、数名のグループで話し合いを行います。
このグループの中に、科学や物理などの先生が1人いると、ある程度知識のある先生の意見がグループの意見になるようです。
他の人が『違うなあ』と思っても、言えなくなってしまうようです。
つまり、先生の得点を越えることができません。
逆に専門家のいないグループでは、活発に意見が交換され、個々の得点より、グループの得点が高くなるという実験結果があるようです。
コーチと選手においても、同じことが言えます。
命令型や誘導型の言葉では、選手の本当の意見は聞けません。
そんな環境で、コーチを上回る発想の選手が生まれるでしょうか??
『そこは〇〇だよ!』
『こっちがフリーなんだからパスしなくちゃ!』
『ディフェンスラインあげろ!』
そんなこと、ついつい言っちゃいますよね。
僕なんか足元にも及ばない、クリエイティブな選手を育てるために、答えを用意しないようにがんばりましょ!
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